長い翼とくびれだけは立派だが

あなたは女王として力不足だった

だからこんなふうに巣を作るには不適なところに部屋を作り始める

7つの部屋に卵は7つ

それきり増えない部屋の数

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そして桜を散らせた風のあとに寒は戻り

部屋が増えることのない巣に静かにしがみついていた

未熟な女王の細い脚

それは ときにふらつき

それは ときにまぼろしを見る

遺伝子の織りなす球形を見る

太陽の球形を夢に見る

あなたは誇り高き失神女王

誰にも触らせない美しいくびれを横たえている

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いま

いまなら 

や やれるかも しれない・・・

マドラーになすりつけたオリゴ糖をその口元に差し出せば

まず最初に反応したのは女王の触角

左右の触角がプラスティックのマドラーを挟みこみ

その粘液を確かめた

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そしてダイヤモンドのようなくちびるがオリゴ糖を

噛み

舐め

むさぼる

丸める

え?

丸める?

ああ・・・

かつての女王たちはいつも青虫でそんなことをしていたっけ

未熟な女王はオリゴ糖でぎこちない球体を編み上げてゆく

それは女王の生きる世界のすべてだった

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夕陽が沈む頃未熟な女王はやっと失神から目覚め

7つの部屋の7つの卵を鮮やかに捨て去り

新たな巣をいま作り始めた